ソロモンの王は深い知恵を持っていて賢人と呼ばれていました、他国の首脳もソロモンの知恵を借りたいと、願い出たくらいでした。
ただ、こんなソロモン王も、他人に対しては冷静沈着に適格なアドバイスをすることができるのにも関わらず、自分のことについては失敗することが多かったんですね。自分のことになると間違った判断をして下してしまっていたのです。
このソロモン王にちなんで、これらのバイアスのことを「ソロモンのパラドックス」というようになりました。
カナダのウォータールー大学のイゴール・グロスマンの実験で自分の身に対人トラブルが起きたことをイメージしてもらうグループと自分の親しい友人の身に対人トラブルが起きたことをイメージしてもらうグループに分け、その後、アンケートに答えて貰いました。
全体の状況に対して自分がどれぐらいまでは自分の知識で答えられるかという自分の知識の限界をわかっているのか、つまり客観的に自分を見ることが出来ているのか?そして、対人関係の問題に対する妥協点が適確に見えているのか?というようなことを調べました。
すると、友人の身に起きたトラブルを想像したグループのほうが、あきらかに冷静で総合的な判断をできる確率が高くなっていたのです。
つまり、人間は自分の問題だと判断が鈍ってしまうのですが、友達の問題の場合だと、判断力が上がるということです。
株取引なんかでもそうですね。もし、今含み損を抱えてるポジションがあったり、含み益を抱えていたとしても、今の自分のことではなく、他人が含み損を抱えていたら、どのようなアドバイスをするか?を考えてみるのがいいですね。
ちなみにディーラーや、ヘッジファンドは、トレードをしているときに常に監視役がいます。もし、ルールにないトレードや損切りができなかったりすると、その監視役から注意勧告をされるというわけですね
だからこそ、ヘッジファンドの成績は他と比べて抜群に良いと言われています。
是非、投資でメンタルについて自信がないという方は、このソロモンのパラドックスを思い出し、迷った時は他者目線で自分にアドバイスしてみて頂けたらと思います。
あとは、
他人視点であること
短期ではなく、長期的アドバイスであること(長い目で見た先を見据えたアドバイス)
最悪の状況を想定していること
以上三つを意識して、自分自身にアドバイスしてみて欲しいと思います。
この記事へのコメントはありません。